![]() コラム 生活習慣その3 四半世紀前に話は遡るが、日本で生活していたころいったい余暇なんてあったのだろうか?25歳くらいから3年ほど教職に就いていたことがあり、その2年目からはクラス担任を任されていた。もちろんクラス担任だけで終わらないのが教務の過酷さである。音楽の専科があっただけにそれの補講あり、部活動(クラブ活動)あり、その上生活指導なんていうのもついてくる。若い時分だったこともあり学生寮の舎監までやらされた。まさに24時間体制での勤務である。 自由な時間、余暇っていったいどこにあったのだろう。土曜日の午後は部活動、日曜日の午後も部活動。ゆっくり寝ていられるのは日曜の午前中だけなんて安心していると寮生の問題で叩き起こされて自分の意思とは関係なく一日が過ぎ去っていく。寮生の就寝時間が過ぎてその後、外に軽く一杯というのが唯一の安らぎだったろうか。 イタリアに来て人生が一変する。余暇(バカンス)を中心に生活を組み立てるようになったのである。もちろん元々そのような習慣を持ち合わせていたわけではないので時間は掛かる。遊ぶために生きるというようなイタリア人的な感覚を身に着けることは簡単ではなかった。 イタリア人の習慣というか、生きるための必須条件の筆頭は紛れもなく家族への献身である。もちろん仕事をしなければ生きてはいけないのであるが、仕事は家族を養うための手段であり、彼らに仕事が何よりの生きがいという感覚を感じることはあまりない。一年がバカンスを中心に回っていることでも頷ける。バカンスを前に4月あたりから浮足立ってきて、9月になると表情が曇りがちになる。10月、11月、12月上旬になるにつれて気候と等しくモノトーンのグレードが濃くなり顔からは血の気が引いていく。クリスマス期に少しだけ盛り返すも、年末のカウントダウンを境にまたストーブシーズンに入っていく。 そのような中で20年以上も生活しているとやはりここの国民に同化してくるわけで、家族愛重視というモットーを掲げているわけではなくとも遊ぶことを中心に持ってくるようになる。計画したところへ行くために仕事を詰める。そこで仕事があるからその近辺を周到に調べて楽しめるようなプランニングをしてしまう。仕事よりもその反省会と銘打ったイベントの方に比重が偏るのである。 かなりの遊び癖をつけながら言いわけとして自分は勤勉な日本人なのでラテン色の濃いイタリア人ほど廃れてはいないというもの。仲のよいイタリア人に言わせると“お前はもっともたちの悪い日本人”とあまり評判はよくない。 堂満尚樹(音楽ライター) ![]() ピックアップ ≪好評受付中≫ ~ピアノで綴るヨーロッパ紀行~ フライブルク&フランス・アルザス&チューリヒ9日間 <2018年3月18日出発> キーシン、ソコロフ、ブロンフマン出演のE.ギレリス記念ピアノフェスティバルと、ツィメルマン出演チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のコンサートを鑑賞するツアーです。 フライブルク、チューリヒ、そしてフランス・アルザス地方の美しい街コルマールに滞在し、観光も存分にお楽しみいただけます。
![]() ★3月19日(月) 20:00 開演 エミール・ギレリス記念ピアノフェスティバル(フライブルク音楽大学ホール) グリゴリー・ソコロフ リサイタル ※曲目は未発表です。 ★3月21日(水) 19:30 開演 チューリヒ・トーンハレ(大ホール) チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 指揮:D.ジンマン ピアノ:K.ツィメルマン ◆ブラームス《交響曲 第2番 ニ長調》、バーンスタイン《交響曲 第2番「不安の時代」( ピアノと管弦楽のための)》 ★3月22日(木) 20:00 開演 エミール・ギレリス記念ピアノフェスティバル (フライブルク音楽大学ホール) イェフィム・ブロンフマン リサイタル ◆シューマン《アラベスク ハ長調Op.18》、シューマン《フモレスケ 変ロ長調Op.20》、ドビュッシー《ベルガマスク組曲》、ストラヴィンスキー《ペトルーシュカからの3楽章》 ★3月24日(土) 20:00 開演 エミール・ギレリス記念ピアノフェスティバル (フライブルク音楽大学ホール) エフゲニー・キーシン リサイタル ◆ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」》、ラフマニノフ《前奏曲 嬰ハ短調Op.3-2》、 ラフマニノフ《10の前奏曲より op.23-1~7》、ラフマニノフ《13の前奏曲より Op.32-5,10,12,13》
燃油サーチャージが別途必要となります。また旅客保安サービス料、日本および現地空港税が必要となります。 ピックアップ ≪好評受付中≫ イタリア オペラ紀行 ヴェネツィア&魅力の小都市めぐり パルマ、モデナ、トリエステ!9日間 <2018年3月21日出発> エミリア街道沿いの美食と芸術の街パルマ、モデナと水の都ヴェネツィア、そして様々な文化が融合するアドリア海の港町トリエステをめぐります。 またスロヴェニアのピラン、クロアチアのポレチュを訪れるオプショナルツアーも予定しております。 旅行代金には下記公演のチケット代が含まれます。 ![]() ★3月22日(木) 20:00 開演 パルマ王立歌劇場 ドニゼッティ《ロベルト・デヴリュー》 指揮:S.ロッリ 演出:A.アントニオッツィ 出演予定:M.デヴィーア、S.ガナッシ、S.ポップ、S.ヴィターレほか
ポンキエッリ《ラ・ジョコンダ》 指揮:D.カッレガーリ 演出:F.ベルトラーニ 出演予定:F.メーリ、S.エルナンデス、S.カターナ、G.プレスティアほか プッチーニ《ラ・ボエーム》 指揮:チョン・ミョンフン 演出:F.ミケーリ 出演予定:V.イェオ、I.ドゥブロフスカヤ、A.ザダ、B.タッディアほか ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》 指揮:F.M.カルミナティ 演出:G.キアバッティ 出演予定:P.プレッティ、D.チェッコーニ、G.ブラット、A.クバス=クルクほか 旅行期間: 2018年3月21日(水)~2018年3月29日(木) 燃油サーチャージが別途必要となります。また旅客保安サービス料、日本および現地空港税が必要となります。 旅行説明会 東京地区
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